たまには古い映画を観てみたりとか。
実は引っ越しをしていまして、前回の投稿から一週間程日が空いてしまいました。
東京の一人暮らしの為のお家は、小さくこじんまりしたお部屋が多いですよね。
広いほうが良いと思われがちですが、背の低い私にとっては、小さいお部屋の方が手が行き届きやすく、住みやすいと感じています。
これは正にTHEチビの特権です。
LLCの飛行機だって、なんなく不満なく座れてしまうのです。
背が高くなりたいと幾度も思いましたが、これは背が小さくて良かったと思える瞬間です。
さて今回私が紹介したい映画は、とても古い作品です。
今日の映画作品は新たな表現の試みがあったり、より刺激的な演出が試され、施されています。
それに比べて、形式に忠実に沿って制作された古典的な作品は、今日の映像作品と比べると刺激が少ないと感じるでしょう。
しかしそんな現在だからこそ、古い映画の良さも際立って見つけられると思うのです。
映画「The third man」は、1949年に英国で制作された、ミステリー仕立ての白黒映画です。
お話としては、映画の題名通り「第三の男」について登場人物が動きまわります。
ここからはネタバレをしない程度に、私的おすすめなポイントをいくつか紹介していきます。
親友の死の真相は?
主人公のホーリーは、三流作家です。彼は親友のハリーから仕事の誘いを受け、ハリーが住んでいる町、ウィーンへ訪れます。
久しぶりの再会に期待をしていましたが、ウィーンへ到着後まもなくして、突然ハリーが交通事故で亡くなった知らせを受けます。
信じられない主人公のホーリーは、半信半疑で彼の埋葬へ訪れます。
この埋葬現場には、今後鍵となる人物が複数人集まっていました。
その中の一人、クルツ男爵という人物が、ハリーの事故の様子を主人公のホーリーへ伝えます。
しかしホーリーはこの話が所々辻褄が合わないといいますか、腑に落ちません。
彼は親友を思って、ハリーの死の真相を暴こうと行動を始めます。
ふわっと先が予測出来そうなお話ですが、実際には予測を裏切る展開になっていました。
この予測が外れていく感じが、楽しいと感じる私的ポイントです。
どこを切り取っても絵の構成が美しい。
どのシーンをとっても、丹念に絵を構成された様子が伺えます。
建築物を上手く利用し、緊張感ある場面では特に構成の上手さが際立って見えます。
犯人扱いされ逃げるシーンや、クライマックスに近い観覧車のシーンは印象的でした。
印象的といえば、話のクライマックスに向けてトントンと進んでいく美しい画面の構成と、カットの割り方に、もう心がワクワクしました。
私的に特にお気に入りのシーンは、映画の中間より後に観る、警察官が新たな容疑者について説明しているシーンです。
虫眼鏡から除く様子や、指紋を調査しているときの画面のデザインがとても好きです。
白黒画面に際立つ照明の美しさ。
特にキャラクターの対話のシーンを見ると、効果的な照明の使い方を見ることが出来ます。
全体的に光と影のグラデーションが画面を美しく彩っていて、所々うっとりするような感覚になりました。
美しいものを観ているときは、心が落ち着き、穏やかな気持ちになりますよね。
正にそんな状態にさせてくれるような、人を魅了する照明の使い方です。
音楽も良い。
BGMとして流し続けたいです。心地の良い音楽が映画の良さを引き立たせています。
この映画のお楽しみポイントでもある音楽は、リラックス要素と、心地よい緊張感を持ち合わせています。
この良作映画は、美しいという一言が当てはまる作品でした。
人物の映し方、物の配置、建築物を巧みに利用した画面構成、美しい照明や音楽が味わえます。
新作の映画を一本観る予定のなかに、是非「The third man」という古い映画を観る予定も組み込んでみて下さい。
当時の良さ知って、現在の作品の良さを楽しみましょう。
映画「The third man/第三の男」は、U-NEXTで繰り返し視聴出来ます。